第1回エシカルインタビュー 【里山保全を通じたエシカルな人づくり・モノづくり ~一般社団法人 Forester's Living(城里町)~】

茨城県内のエシカルな取組をしている方々を紹介する「エシカルインタビュー」。

今回は、城里町で「人に地球に優しい未来を」の理念のもと、森林を守る活動をしている、一般社団法人Forester's Living 代表理事 井出光弘さん、理事 岩崎和典さんにお話を伺いました。

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(右:井出光弘さん   左:岩崎和典さん)

〇一般社団法人立ち上げのきっかけ

東日本大震災を契機に、自然栽培の農業を始めた井出さん。その中で、森林の重要性に気づきます。ボランティアで森林整備をしてきましたが、限界を感じ、いろいろな講座等に参加してビジネス化を模索します。

そんな中、城里町地域おこし協力隊として神奈川県からやってきた林業のスペシャリスト・岩崎さんと出会い、意気投合。2020年8月に、Forester's Livingを立ち上げました。

Forester's Livingという名前の「Living」には、森に携わる方々がくつろげる場である「リビングルーム」と「生きること」、「ライブ」といった意味が込められているそうです。

〇事業内容

事業内容は、①モノづくり、②人づくり、③関係人口の創出 の3つです。

モノづくりは、森の整備ができていない所有者の代わりに整備を行い、その際に出た間伐材などから製品化するもので、ダイニングテーブルや椅子のほか、カッティングボードや知育玩具、さらにはキッチンカーまで、ニーズに合わせて受注生産しています。

人づくりでは、林業を副業や本業にすることができるスキルを身につけることができる「いきあう学校」の運営を通じ、森に関わる人の人材育成や生きがいづくりを目指していきます。

関係人口の創出としては、ボーイスカウトと連携した森づくりや、森林浴などのイベントなどを行っています。

Forester’sLiving (2)

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実際に、井出さんたちが管理している山を見せていただきました。

間伐後は光が入り、下層植生が発達し、森が生き生きしているように見えます。

土砂災害などの自然災害の脅威を見せつけられる昨今、人の手が入ることで森林の持つ多面的機能が発揮されるということを実感しました。

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(間伐前)

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(間伐後)

〇今後の展開

手入れをする人が少なくなり、荒廃が進む身近な里山をなんとかしたい。全国各地でみられるこうした地域課題を解決し、森林の大切さを将来の子・孫世代まで伝えていきたい。そうした強い思いのもと始まった、井出さんたちの取組。森づくりを通じて地域の持続可能性が高まるとともに、エシカルな人・モノが広まっていくといいなと思います。

興味のある方は、是非ホームページをご覧ください。

<一般社団法人Forester's Living>
https://www.ikiau-gakkou.com/